1948-12-12 第4回国会 参議院 法務委員会 第6号
只今の罰金刑に対しまする制度の設立趣旨というものが、事情の軽き範囲のものに止まると言いましても、すでに從來罰金刑というものが凡そ限度がありましたのに拘わらず、飛躍的に五十倍の二十五万円の程度まで上昇し得るような制度になりましたならば、刑法制定当時から見ると、殆んど夢物語のような増額であります。
只今の罰金刑に対しまする制度の設立趣旨というものが、事情の軽き範囲のものに止まると言いましても、すでに從來罰金刑というものが凡そ限度がありましたのに拘わらず、飛躍的に五十倍の二十五万円の程度まで上昇し得るような制度になりましたならば、刑法制定当時から見ると、殆んど夢物語のような増額であります。
それから、刑法の罰金刑の額が低いために、裁判官が具体的な事件について、本來罰金刑をもつて適当である犯罪であるが余りに罰金額が少ないからむしろ体刑に処しようという氣持になる虞れがないかという御意見であります。
まあこの点は御答弁を要求いたしませんが、私の考えを申上げて御参考に資したいのであります ただ私尚虞れますることは先程鬼丸委員もおつしやいましたように、余りに罰金の額におきましても寡少なるために現在の経済情勢と対應して余りに額が低いために、本來罰金刑で以て処断していいものに対しましても、裁判官の微妙な心理が動きまして、懲役刑を、或いは自由刑を選ぶというような心理が働きましたならば、これこそ大変なことであろうと